4、冬の太陽に憧れて(前編)

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4、冬の太陽に憧れて(前編)

雨が静かに降っていました。その雨はきっと私の罪と涙を洗い流してくれるでしょう。やがてその雨は雪となり、さらさらと私に降りかかります。そして辺り一面を純白に染め上げました。真っ白な世界に似合わない黒いシミのような私はやがて滲み、雪解けとともに消えてゆくのでしょう。純白で優しいこの世界は私の居場所ではないのかもしれません。 それでも、もう少しだけここに留まりたいと願うことは許されないのでしょうか。
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