第四話・罠を仕掛けた男

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   ドカッ  名前も知らない、顔もまだ覚えていない同級生に、俺は思い切り蹴飛ばされた。 「きったねぇなあ、お前。ゴミだな、ゴミ!」 「死ねよ、キモい。ガッコー来んなよ、ゴミクズ」 「臭いんだよ、バーカ」  俺が、一体何をしたっていうんだ。  生きているだけで、息をするだけで、ゴミみたいに扱われて、このまま死ぬのかな、俺。  何処へ行っても、ゴミ扱いだ。  助けて・・・・  誰か・・・・  ゴミは生きてちゃいけないっていうなら、もう、いっそ、誰か俺の事、殺してくれよ・・・・ 「やめなさいよ! よってたかって、可哀想でしょっ!」  女の子の声がした。やべえ、逃げろ、って、俺を散々蹴飛ばしていた奴等は、俺を放置して慌てて逃げて行った。  鳩尾に入った蹴りが痛すぎて、俺は立ち上がる気力も残っていなかった。 「大丈夫?」  可愛い女の子が、俺を覗き込んで尋ねてくれた。  怪我してるから、手当しましょっ、と言って、俺の手を取って、立ち上がらせてくれた。  ズキン、と痛む腹を押さえると、早く行こう、と、俺の汚れた手を取ったまま、彼女は歩き出した。
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