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ドカッ
名前も知らない、顔もまだ覚えていない同級生に、俺は思い切り蹴飛ばされた。
「きったねぇなあ、お前。ゴミだな、ゴミ!」
「死ねよ、キモい。ガッコー来んなよ、ゴミクズ」
「臭いんだよ、バーカ」
俺が、一体何をしたっていうんだ。
生きているだけで、息をするだけで、ゴミみたいに扱われて、このまま死ぬのかな、俺。
何処へ行っても、ゴミ扱いだ。
助けて・・・・
誰か・・・・
ゴミは生きてちゃいけないっていうなら、もう、いっそ、誰か俺の事、殺してくれよ・・・・
「やめなさいよ! よってたかって、可哀想でしょっ!」
女の子の声がした。やべえ、逃げろ、って、俺を散々蹴飛ばしていた奴等は、俺を放置して慌てて逃げて行った。
鳩尾に入った蹴りが痛すぎて、俺は立ち上がる気力も残っていなかった。
「大丈夫?」
可愛い女の子が、俺を覗き込んで尋ねてくれた。
怪我してるから、手当しましょっ、と言って、俺の手を取って、立ち上がらせてくれた。
ズキン、と痛む腹を押さえると、早く行こう、と、俺の汚れた手を取ったまま、彼女は歩き出した。
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