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「そうくんっ・・・・あ、ああっ――・・・・」
ただ、乱れた。
背徳感――それさえも快感になった。
壮くんの与えてくれる快楽に、私は溺れてしまった。
亜貴くんとは違う、こんなセックスがあるって知らなかった。
壮くんに身体を貫かれて、感じて、狂って、壊れた。
壮くんは、ゆっちゃんが好きだ、もう離さないから、絶対に泣かせたりしないから、ってずっと愛を囁いてくれた。
その言葉、出来るなら、亜貴くんの口から聞きたかった。
私が愛した男は、簡単に女が喜ぶ台詞はあまり口にしなかったから、殆ど聞くことはできなかったのよ。
――俺と協力して、裏切り者を潰さない?
ええ。そうしましょう。
こんなに私を何年も苦しめた上に、裏切るなんて、亜貴くんの事、絶対に赦せない。
中学の頃から好きで、好きで、想いが叶って、結婚まで出来て嬉しくて、一生、私を愛してくれる男は、亜貴くん、貴方だけだって信じていたのに。
後にも先にも、抱いて欲しいのは、貴方だけだったのに。
他の男がくれる愛を受け入れてしまって、更にその男がくれる、愛しく、激しいセックスを知ってしまった私は、もう二度と、貴方の帰りをただ待つだけの、無能な淋しい姫には戻れない。
とうとう、壊れた女になってしまった。
貴方が、私を愛してくれないから。
だから亜貴くん。貴方とは、もう、さよならするわ。
それで、何もかも終わったら、壮くん、私達も一緒に堕ちましょう。
――地獄へ
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