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「かつてのカエサルは女たらしで嫌われていましたからね。まあ、それでブルータスに刺されたのかもしれませんワン」
「カイも全国の港に女がいると自慢してたブギ」
「まさに男が惚れる男の中の漢じゃニャいか!」
「ヌコリンも憧れてるの?」
「いや、オレはそんなに甲斐性がないニャ」
「賽は投げられましたワン。カイさんを取り戻すために戦いましょう」
「ほんじゃま行くニャ。愛を…じゃなくて、カイさんを取り戻せ!」
オレはカイザーと目で合図すると、漆黒のつむじ風のごとく疾走した。
ピラミッド頂上の玉座から睥睨する帝王の前まで行くと、必殺の「ダンボールから覗くネコの手」を繰りだした。
「チラッとニャー、チラッとニャー」
「……そこな貧乏臭いネコ、ワシの前で戯れるとは良い度胸だな」
「フッ、奥の手が通用しニャいとは」
「YouはShook、ワシはネコの反逆さえ許さぬ!」
カエサルが憤怒の表情で拳を振り上げた。
その刹那──
「犬は逝ぬと言ぬワン!」
カイザーが奇天烈なシャレを叫びながら、隙を見せたカイさんの懐に飛びこんだ。
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