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だが、チャーコがノホホンと膝を打つ。
「それは名案ブギ。アタチは苺ショートが好きなのら」
「賛同が頂けて光栄だワン」
ソイツが気障に答えた。太陽を背にした逆光なので顔が見えない。
「お前は何者だニャ!?」
「これは失敬」ソイツが一礼する。「私はヨーロッパから来たカイザーと申す者だワン」
ソイツは白い犬だった。山高帽に蝶ネクタイをした、いかにも気障ったらしい格好である。
(テリ○伊藤みたいに胡散臭いファッションだニャ)
オレは心の中で盛大に舌打ちをした。
「タキシード仮面みたいでカッコイイだブギ!」
「ニャんとッ!?」
「これは炯眼ですねマイフェアレディ」カイザーがチャーコのひづめにキスをする。
(ぐぬぬッ、なんてジェントルマンなヤツなんだ。オレと違って真っ白い毛なのが気に食わニャいぞ)
オレはキリキリと牙を軋らせた。犬猿ならぬ、犬猫の相性である。ユーチューブの犬猫仲良し動画に騙されまいぞ。
「それでカイザー、お前は何しに皆星町に来たんだ?」
「これはトップシークレットですが、私は『カエサル戦記』に封印されたカエサルコードを追って来たのですよジェームス・ニャンド。またの名をダブルニャーセブン」
カイザーが犬歯を覗かせて不敵な笑みをもらした。
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