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それで広場に目をやると、モヒカンやトサカヘッドの髪型に棘の付いた革ジャンを着た、いかにも『北斗○拳 世紀末ザコ伝説』な面々が騒いでいるではないか。
「ヒャッハー」
「たわば!」
「あべし!」
意味不明な奇声をあげながら、広場に大きなピラミッドを築いていた。
なかにはメロディカの楽器を持って楽しそうに演奏する音楽隊までいる。ジャギ様に一途な女ザコまでいるではないか。
「フュリオサどこですか? フュリオサ好きですワン!」
「この創作世界はマッドなマックスじゃないぞカイザー、ここには火炎放射ギター男なんかいニャい!」
「Oh、彼の名はコーマドーフ・ウォーリアーだと知ってましたか?」
「そ、そんなディープな雑学を!?」
「ゴマドウフプリンって美味しいプギ」
関係ない話で盛り上がっていると、そこにザコの一人がはしゃぎながら走ってきた。
「帝王カエサル様、ご近所から食料を奪ってきましたぜ!」
「あれは飼い主ハチが捨てた野菜の残飯だブギ」
チャーコがつぶやいた途端、
「ひでぶっ!!」
ザコの悲鳴とともに炸裂音が轟いた。
クルクルとザコが宙を舞うと、遠くの塀に身体の形の穴を開けて落ちる。
「だれじゃ、盆栽を倒したやつはっ!」
寅吉さんの怒声が聞こえてきた。
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