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「憐れなザコだニャ、死兆星が見えて天に召されたようだ」
「あ、あれはカイだブギ!」
チャーコが叫んだので見ると、ザコを拳で蹴散らしたのはマントを羽織ったカイさんだった。
「フハハハハ! ワシの体は生まれついての帝王の体だ。肉以外の食い物は受け付けないのだ。なぜならば、ワシのラッキー食材は肉だからだ!」
その唯我独尊な言葉を表すように、その額には「肉」の文字がクッキリと浮かんでいた。
「カイ──、アタチだよチャーコだよ!」
「帝王カエサルに野菜はいらない、肉以外はすべて下郎! このワシが世界制覇した暁には、肉食だけの帝国を築いてくれるわ!」
「お、恐ろしい野望だニャ……」
オレは甘い物なら許すと内心思っていると、カイザーが緊張した声で口走る。
「どうやらカイさんの意識はないようですワン」
「どうすればいいのブギ?」
「安心しておくれマイフェアレディ。古代ローマに君臨した独裁官カエサルは、複数の者の手で暗殺されたのです。そのときに使われたのが、この“ブルータスの短剣”ですワン」
カイザーがフサフサの尻尾から、一振りの短剣を取りだした。
「それで刺せば、カイが元通りになるブギ?」
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