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「あ、それ、助かる。兄はどうでもいいけど、リーデルリディアさんには気の利いた品を贈りたかったし、どうせならウェイデルンセンの物を選びたかったから」
表面上はともかく、反省と葛藤の渦中にいたシモンは、思わぬ言葉に思考が止まった。
が、ヨシュアは気にも止めずに話を続ける。
「前回の帰省の時、レナルト叔父さんへのお土産の手配も助かったし、シモンはセンスがいいから実は当てにしてたんだ。まあ、その分だけ、反動が心配だけど」
「反動……って?」
まっさらな頭で気になったままに問いかければ、またもや驚きの回答をもらう事になった。
「だって、近い内にシモンは王様の側近に戻るわけだろ。こっちにしたら、アベルとエルマ以外で初めて頼れると思えた人なんだから、これから結構不安だし、寂しくもあるわけ」
「え、ほんとに?」
感じたままを口に出したシモンは、ヨシュアから胡乱な目つきを向けられる。
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