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翔琉の流し目が、肩を震わせ泣いている俺を映していることが分かる。
翔琉は俺の足と足の間に自分の膝を付けると、俺のいちもつにその膝を押し付ける。
「ここ、こんなになってるけど。本当に嫌な訳?嫌ならちゃんと拒否しなよ。……そんなんだから女子たちにもなめられるんだよ」
翔琉のその言葉に嗚咽が漏れる。
言葉にならぬ思いがこみ上げる。
一つの疑問符になって。
「……うっ……翔琉、どうして……」
どうしてそんなひどいことが言える?
どうして俺の嫌なことをする?
そんなに俺のことが嫌いなら、放っておけばいいじゃないか。
どうしてこんな仕打ちをするんだ。
どうして、キスなんかするんだ。
俺は翔琉に裏切られたように思った。
翔琉のことが途端に分からなくなって、怖かった。
翔琉の手で変わってしまう俺自身が怖かった。
怖くて怖くて、たまらなかった。
翔琉の舌が、足が、触れていることに嫌悪を感じない、そんな自分が怖かった。
だから俺はやっぱり目を閉じて、全てが過ぎ去るのを待つしかなかった。
悲しいことに、俺の力では翔琉一人突き放すことも出来ない。
そう、諦めた時だった。
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