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あらすじ
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
サボり常習犯の宮古莉律はこの日も授業には出ず、居眠りをしていた。
そこへある一人の男子生徒が階段を降りて来て「特等席が取られた」と莉律のいる場所を見る。
莉律が退くとそこに腰を下ろして本を読み始めた。
そのまま様子を見られている事に耐え切れなくなったのか、男子生徒は自分のことを棚に上げて「サボるな」と言って来た。
莉律が「他人の事は言えない」と指摘すると男子生徒は予想外の答えを返す。
「許可はもらっている。自分は病気だから限られた時間を自分の好きなように過ごすのだ」と。
しかし、それが莉律の興味を惹く事となる。
それから莉律はことあるごとにその男子生徒、環の元へ行き暇つぶしをしていた。
環は面倒くさそうな雰囲気をまとっているものの莉律の相手をする。
昔、環も莉律と同じような事を思っていた時期があったから莉律のことを放っておけないのだ。
こうして本の貸し借りや、色んな話をしていく内に莉律は授業で学ぶ以上の事を得ていく。
環が学校を休んでいる時に環の元カノである雅美が莉律に酷い言葉を投げかける。
莉律は泣き寝入りする訳も無く、面と向かって言い返す。
環の元カノだと知らずそんな態度を取ったのだが、雅美はそのことで莉律と環が付き合っているのだと勘違いする。
それを知った環が雅美の誤解を解くのだが、莉律は環の言った「この先誰とも一緒にいるつもりはない」という言葉が引っ掛かっていた。
それから暫く二人は今までと同じように過ごすのだが、莉律は少しずつ環と距離を取るようになっていた。
それに気づいた環は自分の思っている事を話し、莉律とは変わらずに今までと同じようにいたいと伝えた。
自分の所為で莉律が面白いと思っている時間を壊すのは嫌だったから。
以前より距離が近くなった二人。恋人でも無く、友人とも言えるか分からない関係。
そんな二人の時間にも終わりが訪れるのだった。
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