冬と君

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―――――― 思えば俺にしてはもったいないぐらいの彼女だった。 地味な俺に対して、彼女は周りの人から慕われる、優しい笑顔が美しい人なのだ。 ひょんなことから趣味が料理という奇跡の共通点を見つけ出して、話す機会をコツコツ増やし、距離を縮めた。 『心臓が口から飛び出そう』っていう状況、本当にあるんだなって妙に納得しながら告白をした。 そして、彼女がOKしてくれた時はこれまた『天にも昇る気持ち』っていうのも本当にあるんだなって、実感した。 そんな日から半年、何度かお互いの家を行き来することがあって、恋人として迎える初めての冬ということで、彼女が冷え性なんだって知ったりした。 普段あまりベタベタしたりしない彼女が、『寒い』ということを伝えるように距離を詰めてくれるのが嬉しかった――――
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