1人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は急いで家に帰った。
「ただいま~。」
「お帰り~。」
母が返事をしてくれたが、俺はそれを聞きもせず2階への階段をかけあがり自分の部屋へ入った。
制服を脱ぎ捨て私服に着替え、鞄からチョコを取り出した。
チョコを入れた箱は綺麗にラッピングされている。
俺はそれを恐る恐るほどき、ふたを開けた。
すると中にはもちろんのことながらチョコが入っていた。
一口で食べられるサイズのチョコが数個。
俺は胸が高鳴った。
人生で初めて女性から貰ったチョコ。
どうだ、世のリア充ども。
俺だってその気になればチョコの1つや2つもらえるんだ。
しかし、一体誰がチョコをくれたんだろうか。
俺が本を読んでいることを知っているってことはクラスのやつか。
しかし、あのクラスに俺を好きな女がいるとは思えない。
…まぁ良い。
こうしてチョコが貰えたんだ。
考えるのはあとだ。
今は目の前のチョコを食べることにしよう。
俺はチョコをひとつ手に取り、口に放り込んだ。
口の中に甘い香りが広がっていく。
最初のコメントを投稿しよう!