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ぐつぐつ……
「はぁ~っ、あったかいし自分で言うのもなんだけど美味しいっ!」
「ま、まあ、それなりに味が染みてて美味いな」
「それはそれは。いや~やっぱり私って料理上手いなぁ~」
こたつの上で二人して鍋をつつく。
「さっき聞きそびれたけど、なんで雪姉は俺を呼んだの?」
「んー?あー、まあ、一番話してて楽しいかなって。アンタも楽しいでしょ?」
「……まあ、否定はしないけど」
「そりゃ良かった」
「で?何を語るの?」
「ん~……まあ特にこれと言ったテーマがあるわけじゃないよ。下らない話でもしようよ」
「下らない話って……例えば?」
「そうだね……じゃあ、私が猫耳カチューシャを付けたらアンタはどう思う?需要ある?」
「な、無いだろそんなもん!」
「そっか……にゃーん」
「に、にゃ……!ま、まあ、一部の変態趣味のある男共は喜ぶんじゃ……ないかな……」
「そう?ちなみにアンタはその趣味、持ち合わせてるの?」
「もっ、持ってない!これだけは本当に!」
「ほら、箸止まってるよ?もうお腹いっぱい?」
「食べるよ!美味しいですよ!」
「それは良かったです」
顔を赤らめて急いで箸を進める目の前の後輩。
コイツはこれだから……。
「あ、そろそろうどん入れるね」
「う、うん。シメか」
つゆの残った鍋に白い麺を投入する。ぐつぐつと音が流れ始める。
「そう言えば、アンタ、好きな人とか、いるの?」
「なんで彼女のいない前提で話を切り出すんだよ……まあいないですけど!」
「知ってた」
「……好きな人は……まあいるにはいるけど……片想い、かな」
「ヒューヒュー。青春してんな~」
すると後輩は顔を赤らめ、
「う、うるさいな。そう言う雪姉はどうなんだよ?」
「私?うーん……私も同じ。片想い……なのかな」
「どういう人なの?」
「うーん……学校に通ってて、一生懸命だけど、鈍臭くて、可愛い人」
「そ、そうなんだ……」
「うん……そうだよ。……あ、うどん、もう大丈夫だと思う。お先にどうぞ」
「う、うん。それじゃあ……いただきます」
「はーい」
うどんをお椀に入れる後輩。何故か、顔には赤い色と青い色が混じっていて。
「はい。雪姉も」
「うん」
うどんを取り、啜る。
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