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「ほい。とりあえずこれでも飲んで。体、冷えてるでしょ。あったかいほうじ茶だよ」
「ん……うん、どうも……」
とりあえず即席のほうじ茶を出してあげる。あったかいほうじ茶は飲むと喉が乾く気がする……なんでだろうか。でもその喉がザラッとする、感覚が堪らなく好きなのだ。
「そういや雪姉。この部屋、机ないの?どこにマグ置けばいいか分かんないんだけど」
「ああ、机ね。もうすぐこたつが届くんだ。場所狭くなるから、今はどかしてるの」
「こたつぅ!?」
素っ頓狂な声が後輩の口から漏れた。
「そう、こたつ。うちこたつ私がちっちゃかった時……まああんたもだけど……、こたつ壊れちゃってさ。でも一人暮らしで冬を乗り切るにはこたつが必要不可欠なんだよ。うん。だから買った」
「マジか!こたつってそんなにポンポン買えたもんじゃ無い……よな?」
「私もそんなにいっぱいこたつは買わないよ」
「そう言うことを言ってるんじゃないんだけど……だから、こたつとかって買う時さ、家具屋とかいってゆっくり比べて買うもんじゃない?普通さ」
「ふっふっふっ……甘いな後輩よ……今はInternetというモノがあるんだよ……One Clickで一発だよ……」
「部分部分発音いいのが微妙にムカつく!」
「だって私、英語得意だもん」
「そういう問題じゃないし、中学初級レベルの単語を得意げに発音してんじゃない」
「もう、五月蝿いなぁ。変わらないね、私と違って」
「そういうこと言ってる雪姉こそ変わってないよ!」
「あっはは。やっぱり呼んだのがアンタで良かった」
「そ、そういえばなんで俺のこと呼んだ……というか選んだの?他にも色んな子いたはずーーー」
そこでまたもやチャイムの音が響く。
「よっしゃ!やっと来た!」
ほぼ定刻。ベテラン配達員だ……!
「私のこたつ!いま迎えにいくからッーーー!」
ドタドタと音を大きく玄関まで走った。
ガチャ。
「ここに印鑑を押して下さい」
「ああ、はい!えと……印鑑印鑑……と。あった!はい、どうぞ!」
「は、はい……少し大きいですので、中に入れますね」
「お願いします!」
若干気圧されたような配達員が大きい箱をドアの内側まで運んでくれた。
「それでは失礼します……」
「はい!ありがとうございます!」
バタン!ガチャ。
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