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「おーい、運ぶの手伝ってー」
「はいはい。やりますよ。運んだら組み立てるの?」
「ん……簡易組み立て式のを買ったからすぐ終わると思うけど、そうだね」
「へー。そんなのあるんだ」
「うん。安かったし、これだ!って思ったんだ」
「へぇー」
狭い廊下を二人して運んでいく。
「にしても狭いな~この廊下」
「うーん……荷物が大きいから相対的にそう感じるんじゃないの?」
「そうか?家に比べたら狭いけどな……」
「そりゃあ、アンタの家はごく普通な一軒家でしょ?当たり前でしょ」
「まあ、そっか……」
下ろすよ、という後輩の声に合わせてリビングに箱を置く。
「ふぅ……いやー、届いたねぇ、私のこたつ」
「なんでそんなに感動してるの?」
「だってこたつだよ?久しぶりなんだもん。前から欲しかったし」
「ふーん。そんなもんかな」
「そんなもんだよ!」
箱をカッターで開き、中を二人同時に覗いた。
「おお、結構ちゃんとしてるな」
「そうだね……んじゃ早速組み立てますかね」
「おう……手伝おうか?」
「おっ、たまには男らしいことも言うようになったねぇ。成長したなぁ……でも、いいよ。自分で組み立てるのが楽しいからね」
「……そう」
「何ちょっと残念そうな顔してるの?もしかして私の隣で手伝いたかった?」
「し、してない!うるさい!黙れぇ!」
「ふふ、必死になってるね……そこまで言うなら手伝わせてあげるよ」
「俺は何も言ってない!前言も撤回するよ!」
「遠慮せずに。ほら、これ、出して」
「わかったよ……もう。よっこいしょっ……と」
いやいやなのか、はたまた照れ隠しなのか……まあとにかく、後輩は机の天板を出してくれる。
脚も二人で箱から出し、ドンッ、と床に置いた。
天板と脚には少し強力な磁石がついていて、ヒーターのついた脚の上に付属の布団をかけ、上から天板を置くと見事にくっつく仕組みになっているのだ。
確かに簡単だ。人気なだけある。
「おお~、出来た」
「ほんとに簡単なんだな」
「これを、テレビの前のセンタースペースに置いて、っと。よし!一応完成!」
「まあ、様にはなってるんじゃね?」
「そうだね。あとはコンセントに……あ、延長コードがキッチンにあるから持ってきてくれる?」
「ん」
後輩がキッチンに向かう。
「これか。雪姉、はい」
「よし!じゃあこれを、コンセントに……はい!完成!」
「すぐ終わったな」
「それじゃあ鍋持ってくるよ」
「うん」
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