四月

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「はーなーっ!おっはよーん!」 教室に入るやいなや抱き着いてきたのは、まりあ。 お人形さんのような名前の通り、見た目も洋風人形のようだった。 天然パーマのくるくるとした髪、 その色はこれまた天然で明るい茶色。 目鼻立ちもくっきりはっきりしているが身長は低め。 世の中の女子が夢見る女子であろう。 「おはよう、まりあ。」 「待ってたよー!一限の数学、華も当たってたよね?答え合わせしよ?」 何気なく返事をしつつ、私はすっと背筋を伸ばした。 まりあは見た目だけとればお馬鹿キャラがお似合いだが、ここは進学校。 高レベルの中学受験を突破した猛者の一人であり、 さらにその中で上位の存在である。
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