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そういって華は頭を下げた。
教室は拍手に包まれる。
間に、えっと、など余分な言葉が含まれたがたぶん上手く話せた気がする。
そんな安心感からか、息がこぼれた。
自分の席まで歩く間、クラスメイトへと視線をやるのはためらわれる。
視線は自然と外で舞い落ちる桜へと向いていた。
暖かい日差しに照らされて一枚一枚がそれは美しく
それ自身が光っているのか疑うほどに、輝いていた。
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ここは中高一貫校である私立立花学園。
私立というとお金持ちか勉強熱心のどちらかに分けられるが、ここは後者。
数ある進学校の中でも、有名国立大学入学者数上位に位置する進学校である。
私、華はこの高校に高等部から入学することとなった。
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