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入学が決まったのは一年前。
父との長い闘いに勝利した結果であった。
「なぜだなんでなの、はなちゃん、パパは、パパは」
何時間も話したのに未だ目を潤ませて講義する父にげんなりとしていた。
しかしこれを越えないと今迄の苦労は報われない。
「だからねパパ。今の学校もとっても素敵よ。
由緒ある小学校、中学校のおかげでお花も茶道もテーブルマナーも完璧になったわ。」
私が通っていたのは所謂お嬢様学校だった。
私の父は誰もが知ってる食品会社の社長で、その娘である私はお嬢様だった。
当たり前のように、父親に社長や芸能人を持つような令嬢が通う女子校に
通わされていたのだ。
「でも私には自立が足りないと思うの。」
うん。真っ赤なウソだけどね。
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