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この部屋が密室ってことは犯人が簡単に想像できてしまう。そうだろ? だって鍵を持っていて中に入れたのは唯だけなんだからな。 俺は警察を呼ぶのを止めたのはその為だ。唯が犯人なのは間違いがない。警察を呼べば唯な逮捕されてしまう。俺は自分の友達が逮捕されるところは見たくなかったんだよ。 言いたい事はわかる。綺麗事を聞くつもりはない。だが、実際事はそんな簡単な話じゃなかったんだよ。 理奈と犬養も俺と同じ事を思ったんだろう唯を見つめていた。しかし、唯は否定した。 「わ、私じゃないよ」 「警察に突きだそう何て思ってないし、唯と高柳の間に何があったかも追及するつもりはないから、そんな嘘はつかなくていい。本当の事を教えてくれ。これからの事を考えないと」 「待ってよ。本当に私じゃない。確かに昨日の打ち上げの後に高柳くんとは会ったけど、家で飲んだあとすぐに帰ったから」 必死の形相で否定する唯にただならぬ空気を感じたが、客観的に見て犯人は唯以外考えられなかった。 「私がどうして高柳君を殺さないといけないのよ! だって恋人だよ。一番悲しいのは私だよ」 「唯……。どうして」  理奈が震えた声で呟く。 「理奈……信じて。私じゃない」 「最近、高柳君とうまくいってないって言ってたけど、まさか殺すなんて」  理奈の言葉に唯の顔が真っ赤に染まる。 「ふざけないで! 確かに最近ギクシャクしてたけど、その原因はあんたでしょ」  今度は理奈の顔が凍り付いた。 「どういうことだ?」 「理奈は……高柳君と浮気してたんだから」  指を突き付けて非難する。理奈は驚愕の表情で睨み返していた。その表情だけでそれが真実だと物語っていた。 「高柳君に遊ばれていただけなのに、本気になって自分の方を向いてくれないって不満だってんでしょ。だって、高柳君の本命は私だったんだから。そうだ……あんたが殺したんじゃないの?」 「何で私が! そもそも私はこの家に入れないのよ!」
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