看病

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看病

今朝、美紅を連れて保育園へ行くと隼人の姿がなかった。あのやんわり微笑む笑顔が俺の癒しなのに。 迎えに出てきた保育士にそれとなく聞いてみる。 「江森先生はお休みですか?」 三歳児クラスの担任でもある苗村先生はニヤリと笑い思わせぶりに話し始めた。 「あれ?高嶺さんはご存知だと思ってました。江森先生、熱でお休みですよ」 熱!?熱だって? 昨日電話で話した時にはそんなこと一言も言わなかった。……熱があったのか? 俺の残業が終わり、美紅を寝かしつけてひと段落したのは零時時を回っていた。 「毎日一言でもいいから声が聞きたいです」 なんて可愛い事を言われたらしない奴はいない。抱きしめて可愛がってやりたくなるのが恋人だろ? 物理的に無理だからって声を聞くだけでも癒される。 隼人は控えめにいじらしく可愛い事をいう。堪らないんだよ、まったく。 今日は午後から外回りの直帰だったな…… スケジュールを頭の中で確認し、保育園を出ると美陽に電話をかける。 「おーおはよ。今日の迎え、頼んでもいいか?」 理由を聞きたがる美陽に手短に言う。 「隼人が熱で休んでるんだ。看病したいから頼む」 「わかったわ。ゆっくりしてらっしゃい。美紅はうちに泊めるから」 物分かりのいい嫁でよかった。まあ、嫁の役割は果たしてないけどな。
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