9人が本棚に入れています
本棚に追加
「少し明るめでいいよ。明るすぎず、絨毯よりは明るく。机は…どうかな。その椅子よりもまた少し明るい感じでどう?」
「執務中に目に入るものですからね。明るすぎないのはいいと思いますよ」
「じゃあ、もう一度パッセ通りに行って来よう!今度は荷持ちが必要だね」
「荷馬車も必要です。ああ、いえ、家具屋が運んでくれるかもしれません」
話していると、スーと親衛隊のルートヴィイ・リヒト…ヴィと、カイザック・ドュード…ザックが部屋に入ってきた。
「親衛隊の方は片付いた?」
ルークに聞かれて、ヴィが答えた。
「はい。数人は地図などを揃えに、外に出ました」
「地図!そっか、それも要るよね」
「居室の分も手に入れるよう伝えましょうか」
「うーん、そうだね。取り敢えずアルシュファイド全図と、レグノリアだけのもの、お願い。あとこれから、またパッセ通りに行くよ。家具を見るんだ」
「承知しました、徒歩でしょうか?」
「うん、すぐそこだし、歩くよ!」
そういうことで、ルークとカィンとスーと、親衛隊のハウント、ヴィ、ザック、ギイル・シュトゥッツウェル、クラウス・ロスは創建局を出た。
最初の家具店で望みのひと揃いが見付かり、店の者に言うとすぐに運んでもらえることになった。
急いで創建局に戻り、荷物を運び込んでもらうと、思った通り、均衡のとれた部屋になった。
「よし、始めるよ!その前に、お腹空いたねえ」
気付けば12時を大きく過ぎていて、ルークはナイエスに連絡を取った。
すると王城で移転の最中ということだったので、自分も昼食を摂るからナイエスも摂るように、と伝えた。
「どこに食事に行こう?」
ルークが首を傾げ、カィンが、コンツェル通り辺りでしょうか、と言ったとき、ギイルが声を上げた。
「あの、この近くにも食事ができるところが数軒あります。そちらへお連れしてもよろしいでしょうか?」
「えっ、ギイル、よく知ってるね」
「実はこんなこともあるかと、調べていました。この人数で入れるかは判りませんが、入れなければ分かれたらいいかと」
カィンが頷いた。
「近い方がいい。営業はしているのか?」
「はい。平日開いているところを調べたので。臨時休業でもなければ開いていますし、ほかにも数軒知っていますので、いずれかに入れるでしょう」
「うん、じゃあ、案内して!」
ルークの声に、ギイルは先に立って歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!