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親衛隊のほかの面々も顔を見合せながら付いてきて、すぐに目的の店に着いた。
そこは大きな邸を改装したらしい店で、女給は不意の団体客に目を大きくしたが、席が分かれてもよければと案内してくれた。
「本日は定食となっております。主菜だけお選びいただけます」
そう言われ、ルークは魚を、スーはモルモル肉を、カィンはポロポロ鳥を選んだ。
この店の食事は王城のそれに似て、彩りも味も良く、ルークたちは満足した。
値段は家庭的な食堂の昼定食より高めだったが、充分な内容だった。
「ああ、おいしかった!ギイル、ありがとう」
近くの席に座ったギイルに礼を言うと、嬉しそうに笑った。
「さて、昼からはどうしますか?」
カィンに聞かれ、茶を置いて、ルークは少し首を傾けた。
「そうだね、ナイエスたち、もうちょっと忙しそうだから、少し第2棟の方を見てきたい」
グランレン修練場創建局の建物は、2棟に分かれていて、第1棟は今回ナイエスたち執行部が活動する邸で、第2棟は、いずれ発足する異能保安庁の構成組織である術語総合管理部と異能制御管理部が活動している邸なのだ。
「一応、ナイエスに紹介してもらった方がいいかなあ」
「そうですね。ナイエスに連絡を取りましょう」
カィンが伝達を送ると、まもなく、14時に第1棟で待ち合わせたいという旨の返信が届いたため、ルークたちは一旦戻り、待つことにした。
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