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「うん。さてと、今からどうしようかな。王城に顔出すって言ったから、今から戻ってもいいかな。ナイエス、何かある?」
「いいえ、ございません」
「よし、じゃあ、王城に行って、夕食はアークと一緒に食べて…今夜も王城に泊まろうかな。ハウント、明日の朝、王城に来て」
「承知しました」
「じゃあまた明日、ナイエス」
「はい。お待ちしております」
ルークは頷いて創建局第2棟を出た。
振り返って見て、そして創建局第1棟を見た。
「あっという間に1日が終わっちゃった」
ルークは、歩き出しながら言った。
「明日は、どんなものが見られるかな」
「楽しみですね」
カィンの言葉に、ルークは首を捻った。
「楽しみよりは、少し怖い」
「なぜです?」
「これまでは頭の中だけだったものが、確かに動いてるんだって実感したんだ。トーディの言ったこと…先々のことを、僕、考えてなかった」
カィンは言った。
「それでも、動いていく。事前に考えなければならないことは確かにあります。でも、どんなに考えても、足りないことはある。問題は、それらにどう対処していくかです」
カィンはルークを見て、続けた。
「さあ、始めましょう。先は長い」
ルークは頷いた。
背中を押してくれる人がいる。
それは支えでもあった。
ルークは顔をあげて歩き出した。
とにかく、歩き出そうと思った。
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