グランレン修練場創建局

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       ―現状―    翌日、ルークはミナと政王執務室で待ち合わせた。 行ってみると、昨日作った彩玉の上でミナとデュッカが両手を繋ぎ、何事か始まるようだった。 「邪魔したね、ごめん。続けて!」 ミナはルークにおはようございますと笑顔を向けてから、正面に顔を向けた。 珍しく、部屋の窓が大きく開け放たれ、ざっと見回すと、アークとシィン、カィン、スー、ミナの護衛であるハイデル騎士団のイルマ・リ・シェリュヌ、セラム・ディ・コリオ、パリス・ボルドウィン、スティルグレイ・アダモント…スティン、アニーステラ・キャル…アニースとヴィとザックがいた。 「…広い世界の空の(した)、起きている者、眠っている者、働いている者、休んでいる者、色々います。術語を発してください」 「アルシュファイドの国民に届ける。聞け。双王より、この1年の感謝を伝える。これなるは双王が彩玉、お前を癒すためにある。湯を張り、浴槽に放て。我、デュッセネ・イエヤの名において、配布する」 複数の箱に入れられた彩玉が浮かび上がった。 ひとつひとつに、透き通った緑の鳥がついているようだった。 それらは、術語に従って窓から飛び出す。 ミナが言った。 「眠っている者は起きるまで待って。働いている者は手が空くまで待って。大丈夫。みんなに届く」 それはやや長い時間だった。 「もう少し…その人で最後です。繋がりました。もういいですよ」 ミナが顔をあげて言い、デュッカが目を開けた。 「…大丈夫か」 ミナは、にこりと笑った。 「デュッカこそお疲れでは?」 「お前の方が心配だ」 「私は…ええ、まあ、ちょっと疲れましたね!」 そう言ってミナは笑った。 「ちょっと座っていいですか?」 アークを見て言うと、即座に声が返った。 「もちろんよ!」 ミナは長椅子に座って、深い息を吸って、深呼吸を繰り返した。 デュッカは隣に座り、寝てもいいぞと言う。 ミナはちょっと笑って、そこまででは、と言った。 ルークは何をしたのか気付いて目を見開いた。 「えっ、今ので国民全員に届いたの!?」 「デュッカの力です」 ミナは目を閉じて言った。 深い呼吸を繰り返している。 デュッカがミナの体を自分の膝の上に倒した。 「そこの袋を取れ」 それはメグスという植物が詰まった袋で、ほどよい弾力のある肘掛け用の袋だった。
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