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こたつに入ると、足がつかなかった。 中を覗いてみると、こたつの中には空が広がっており、ずっと遠い下の方で太陽が照っている。 道理で温まり方が違うと思った、近くの熱源で炙られるのではなく、遠くからさす日差しがもっとマイルドな調子で足先だけでなく下半身全体をじんわりと温めてくれている。 上半身が寒いので頭からこたつに入り込むと、上下の感覚が逆転して頭の上に日が照っていて、足元にこたつの天板を踏みしめている。こたつを裏返した乗り物に空中で乗っている恰好だ。 全身が暖かい。 目の前をゆっくりと丸くなった猫が宙に浮いたまま横切っていく。私も試みに天板から足先を離した。するとそのまま私の体は温もりの中宙に浮いた。 こんなに身近にこんなに至福の場があったことに私は感謝し、こたつの布団を引き寄せてくるまった。
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