第2章 それは恋。きっと恋。

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いつの間にか妄想の彼女はちずから私になり、さっきの食堂の三年生が私の身体にめちゃくちゃに触れてくるようで、余りにもリアルな悪夢に悲鳴を上げた。 自分の声に驚いて飛び起きると、かなりの汗をかいていた。 「ハァ、ハァ、ハァ、やったぁ、夢だった」 安心するにはまだ早い。 夢とはいえ、なぜか私の身体はおかしくなっている。 ベッドから飛び降りて、ドタバタと風呂場に駆け込んで服を脱ぎ捨てシャワーを浴びた。やらしい目がまだどこかから私を見てる気がして、急に裸でいることが怖くなる。しゃがみこんで目を固く閉じて耳を塞いだ。 恥ずかしい。 情けない。 やらしくなんか、なりたくない。 なのに。 どうしちゃったの? 私、なんでこんなことに? たとえ妄想でも夢でも、私はもう。 もう、お嫁に行けない・・・ ママみたいに、生涯でたったひとりの運命の人にまだ出会ってないのに。 まさか自分が、発情した猫みたいになるなんて、聞いてないよ!
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