第2章 それは恋。きっと恋。

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私は田んぼの脇のあぜ道を歩きながら、黒縁メガネをしっかりと持ち上げて、登校風景を眺めた。 前方で燿馬に置いていかれたちずが呆然としていた。 慌てて駆け寄っていくと、私に気付いたちずが泣きそうな顔をして言った。 「恵鈴! どうしよう! 私、ようまに軽い女だって思われたみたい!」 「どういうこと?」 ちずから一通りの話を聞いて、私はムカついた。 好きだという一言の重みがわからないヤツ相手に、軽はずみな会話の流れで「好き」と言ってもピンと来ないのは常識じゃない? ・・・ん? そっちじゃない、危ない、危ない。 ちずのせっかくの気持ちを無碍に扱った燿馬の冷たさが・・・。 あ、なんかもう疲れた。 面倒くさい。電池切れた。 「ドンマイ」とだけ言い残して、私はとぼとぼとした足取りで学校に向かって歩き出した。ちずがしょんぼりしながらついて来て、ずっとウジウジと燿馬のことを言っているけど、耳に入った言葉が意味を成さないまま消えていった。 「どうしたの?なんか、今日の恵鈴、ご機嫌斜めだね?」 「考え疲れだと思う。糖分が欲しい」 「わかる~」 ちずは歩くのが遅い私の歩調に合わせてついてきた。すると、また前方に今度は燿馬が女子に絡まれているところに遭遇した。
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