第2章 それは恋。きっと恋。

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私の頭ひとつ高いちずが私の背後に隠れて、その妙な賑わいをする集団を除けて学校に向かった。玄関につくと、「恵鈴!私、やっぱりちょっと行ってくる!」と言い残して、ちずが走って行ってしまった。 騒がしい。 玄関、廊下、階段、廊下、教室、机、座る。そして、読書。 ブックカバーをかけたその文庫は、以前ちずが貸してくれた恋愛小説とはまた違うタイプの恋愛小説だった。っていうか、ファンタジー+恋愛小説というジャンルになるのかな。 リアリティさのない物語の方が私にはなじみやすい。なまじリアルな同年代の恋愛事情なんて知りたくもない。 でも。 また、勝手に今朝の続きが流れ始める。 映像化されたロマンスポルノ的な二人の男女が、相手の服を一枚ずつはぎ取っていく度に羞恥心によってさらに身体が過剰な反応をしていく・・・ 両手で耳を覆い、机におでこを押し付けて、私は耐えた。 もうやだ。 もうやだ。 もうやだ。 エッチな想像なんてしたくもないのに、どうして勝手に想像してしまうんだろう?
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