第2章 それは恋。きっと恋。

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ぐったりとして授業どころじゃない私は、耳栓を深く嵌め込んで世間の音をシャットアウトした。 激しく体力を奪われた彼女は許して下さいと懇願したものの、まだ終わりの見えない欲望に己を支配された彼は嫌がる彼女の身体に再び・・・ 「俺無しじゃ生きていけない身体にしてやる」 頭の奥でそんな卑猥なセリフが響いた。 昼休み、軽くうたた寝していると隣のクラスのちずが来て、私の席の前に折りたたみいすを置いて座ってお弁当を食べ始めた。 私越しに燿馬を覗き見ながら。 「あれ?なんか疲れてる?」 「疲れてる・・・」 「どうしたの?」 「・・・うん」 あんたのせいだよ、って言ってやりたいが言える勇気がない。 「お弁当持って来た?」 「持ってるけど、食欲ない」 「え?・・・まさか!」 ちずが大袈裟に目を丸くして口元を手で隠した。 「恵鈴も恋煩い?」 「・・・ある意味、そういうことかも」 「え?うっそ。誰?私が知ってる人?」 「うん、とてもよく知ってると思う」 「マジで?山田君?辻本君?本郷君?」 元カレの名前なんだったかな?あれ?名前・・・名前・・・わからない。
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