第2章 それは恋。きっと恋。

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ちずがまさか初体験済みとか、ビックリしたわ。 どさくさ紛れにとんでもない話を聞かされたもんだよ、まったく。 女子でも男子より性欲強い人っているんだろうか。 ちずは強そうだ。 サラリと、あんな個人情報ぶちまける神経は私には理解できないよ。 嗚呼、彼女と距離置きたい。 トモダチって、面倒臭い・・・。 食堂の空いているテーブルに座って、お弁当を広げた。お腹空くのは不快だから、半分でも食べておきたいと思い、箸を持った時だった。 「ここ、良い?」 目の前に、食堂のラーメンをお盆に乗せた三年生男子がニッコリと微笑んで私を見下ろしていた。 他に空いている椅子ならいくらでもあるのに。 私の中で警報のサイレンが鳴る。 私の返事がないのに、彼は堂々と席について食事を始めてしまった。 斜めに身体を向けて、目が合わないようにお弁当を食べていると。視線が煩くて気が散ってしまう。 食べるのをやめてお弁当をしまい始めたら、彼は私の水筒の蓋を手に取った。 「返して下さい」 「やっとこっち見てくれた」 いかにもなイケメンスマイルが私を待ち構えていた。 「メガネしてても、隠せてないよ。君の魅力的な顔立ちと神秘的な瞳の色。近くで見たいっつずっと思ってたんだよ。東海林恵鈴さん」
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