第2章 それは恋。きっと恋。

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「性に対する好奇心と、恋愛感情との違いをわかってる人って何パーセントいるの?」 ちずが目を丸くして私の顔をマジマジと見つめた。 「ごめん、何言ってるのか意味がわからないんだけど」 「だ、か、らぁ。エッチしてみたいって思う気持ちと、純粋に恋をした上でそういう関係に転じていく瞬間の気持ちと、ちゃんと違うんだってことをわかってる人ってどれだけの割合いるの?っていう話!!」 肩に力が入ってしまって、ちずが私の剣幕に戸惑っているのに止められなかった。 「そんなこといちいち考えてる人なんていないよ」 ちずの言葉は衝撃だった。 「恵鈴はさ、なんでそんなに区別したがるの? 間違えることが怖いから?」 「・・・・・」 「間違えることを怖がっているとしたら、それは恋をしているっていうことじゃない?」 ・・・は? 「誰のことを思って、そんなに慎重になったの? その人のことを考え過ぎて、迷路にまよいこんだ感じがするよね」 ・・・誰のことを考えたんだっけ? 一番最初に考え始めたとき、誰のことを考えたんだったっけ? えーっと・・・えーっと・・・。 そして私は思い出す。 本当のきっかけになったあの日の出来事を。
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