第2章 それは恋。きっと恋。

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その妄想のきっかけはちずが貸してくれた恋愛小説だった。 目を背けたくなるほどにリアルに描写された恋愛模様に、私の心臓は何十回とクラッシュした。 好きと告白するまでが10代の恋愛クライマックスだと思っていたのに、そうじゃなかった。 キスがゴールではなかったのだ。 しかも、元カレは今カノとも同時進行形で二股をかけ、ヒロインは自分の愛情を彼の性欲に応えることで証明している。 痛すぎる! これはれっきとした詐欺事件だ!! 保健体育や家庭科で散々、家族計画とは何か、性病の感染予防や避妊の知識等の授業は受けたけど、恋愛感情を伴う性行為によって望まない妊娠や重度の性感染症に感染するリスクうんたらかんたら以上に、どうして学校は生徒に健全な恋愛関係の結び方、営み方を教えていないのか甚だ疑問に感じた。 健全な付き合い方がわからない世界に放り出され、時が来れば恋愛適齢期に突入して流されるままに恋愛関係を結ぶって、とっても危険なことのはずなのに。どうして大人は子供にちゃんと教えないんだろう。身体の知識だけじゃなく、心を弄ぶ罪深さに警鐘を鳴らしてくれないなんて、犯罪に目をつぶっているようなものじゃないのか。
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