ぼくは犬

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 そこでリードが外され、ぼくは園内を自由に駆けまわります。  俊平くんがドリブルを始めました。ぼくはディフェンダーで、俊平くんの足のまわりを細かく動きます。すきを見てボールをうばうと、けりそこなった俊平くんが転びました。  彼はあまりうまいサッカー選手には、なれそうにありません。  一時間ほど汗を流して帰宅します。  朝ごはんを食べるのは七時四十五分くらいです。こんだてはいつもピーナッツバターをぬったトーストと牛乳でした。ピーナッツバターは、いまではぼくの好物になりました。  俊平くんがテーブルに着くころ、たいがいお父さんが立ち上がります。細いフチなし眼鏡をかけ、あごのとがった、神経質そうな人です。商事部の係長なんだそうです。  口をバターだらけにしたぼくには、まったく興味がないらしく、目もくれずに会社に出かけます。  このころから、オーデコロンが強くなったようです。  
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