『友喰い・a』
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漆黒の夜空には赤提灯が並び、その彼方では金色の月が鈍く輝く。石畳に隙間なく舗装された道のほんの数歩先では、羅生門を彷彿とさせる朱塗りの門が口を開き、さらにその先に人影がひとつ。 「ここは幻世の台所、誰が呼んだか『
憑路ノ市
(
ツキジノイチ
)
』。ゆるりと愉しまれるがよい」 藍染の和服に身を包んだ白髪の男が、結依に手を差し伸べていた。
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