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私は夢を見た。
ヨシ君に手を引かれ、ふわりと夜空を飛ぶ。どこかの屋上で、一緒に夜空を見る。流れ星に祈る。傍にいたいと思う。
夢の中でヨシ君が歌っている。その歌を聴いて私は思う。ヨシ君の歌は沢山の人の心を温めることができる。だからこのままじゃもったいない。
いつもより早く目が覚めた。日の出の時間。ゆっくりとだけど、確実に変わる空。窓から、朝日とはまだ言えないオレンジ色が流れてくる。ちょうど逆光だけど、そこには私にしか見えない人がいる。さらさらと砂が崩れるように、あの歌声の主が、私には見える。前よりも、透明になっている。ヨシ君は私の学習机の回る椅子に座っている。朝焼けが彼を照らす。椅子が回り、彼が振り向く。美しい光景。
私が起きたことに気づいたヨシ君は言う。
「おはよう」彼は優しい目でこちらを見る。
私は、一つ決断をする。ヨシ君を送り届けなくちゃ、ラジオの向こうへ。
私が口を開く前に、ヨシ君が言う。
「そろそろ帰らなくちゃ」
今日、学校帰りにヨシ君を病院まで送る、だから今日一日はヨシ君の自由時間だよ、と私は言ったのだけど、ヨシ君は今日も学校に着いてくる。自転車に乗り学校へ行く。ヨシ君は自転車の荷台に座り、「ハローグッバイ」を歌っている。出会いと別れだ。
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