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「それで、追試の追試である、課題がすぐ終わったのか」
翌日のお昼、葵はさっそく昨日あったことを話した
「ちなみに?その人の名前は?」
「えっと、たしか・・・、要、だったはず・・・」
「要!?」
「う、うん、そうだけど・・・」
いきなり反応した、彩音に葵はすこし引きつつも、肯定した
「なにもされなかった!?」
「え?なにもって?」
「喧嘩売られたり、殴られたりしなかった!?」
「し、してないよ!」
すごい勢いで聞いてくる彩音に対して、葵は頭がとれるんじゃないかっというほど首を横に振った
「なら、いいけど・・・」
「どしたの?急に・・・」
「そういや、葵はあんまり噂とか興味持たねぇ奴だったな」
「だって、噂って、みんなの勝手な想像がほとんどじゃん?そういうの、あんまり良くない気しかしないから」
「じゃあ、ここは、俺が話そう」
そういって切り出したのは、優一郎だった
「そいつの本名は九十九屋要じゃなかったか?」
「う、うん、そうだけど・・・」
「そいつは、あまり良くない噂しか立っていない。例えば、不良相手に無敗を誇っているというものや、果てまではヤクザに入っているという噂まで、さまざまだ。実際に見た、という人もいる。まぁ、少しくらいは色を付けて話が広まっているだろうが、ほとんど事実だろうな」
「でも、全部、見た人は、いないんでしょう?」
「ああ、だから、信じるかどうかは葵次第だ」
葵は優一郎から聞いた話と昨日自分の目で見た要を思い浮かべて、頭を振った
絶対、違う。あの人がそんなことするわけない・・・!
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