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「ていうか、要はなんでここに・・・?」
「あぁ、そうだった」
要は取った花を戻しながら、葵に近づいた
「お前、花束とか作れるか?」
「え、作れるけど・・・」
「じゃあ、適当に見繕って作ってくれ」
「わ、わかった。色とか希望ある?」
「んー・・・、特にねぇな」
「わ、わかった」
葵は店の中から数種類の花を選んで、花束を作っていく
その様子を要は間近で見ていた
「よし・・・、はい、できたよ」
「サンキュー。すげぇな、めっちゃ綺麗だわ」
「そうかな・・?」
「おう、めっちゃ気に入ったわ」
昨日とは違う笑顔を見せた要に葵はまた目を奪われた
それと同時に、やっぱり噂は噂でしかないのだと思った
だって、今ここにいる優しそうな人が不良なわけないはずだから・・・
「それで、これ、いくら?」
「あ、えっと、そのサイズの花束なら1,500円だよ」
「じゃあ、ほい」
「えっと・・・、うん、ちょうどだね。ありがとうございました!」
いつも通り、思いっきり頭を下げ、感謝の気持ちを伝える
「めっちゃ気に入ったから、これからもここ使わせてもらうな」
「あ、うん!」
「じゃあ、また明日。学校でな」
「またね!」
手振りながら、葵は笑顔で見送った
やっぱり、実物と直で話したほうが、その人のことわかるし、なにより信頼関係築けるし!
葵は吹っ切れたように、顔も周りの雰囲気も明るくした
明日も、要と会えるといいなぁ
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