第2章

5/7
前へ
/70ページ
次へ
「あっおい!」 「あ、要!おはよ~」 翌日、たまたま廊下ですれ違った2人は話をしていた 「要ってなんで頭いいのに、この間の追試来てたんだ?」 「あー、あれな。あんときのテスト、眠すぎて寝てたらぎりぎり赤点で・・・。まぁ、どっかの誰かさんみたく、毎回取ってるわけじゃないから、免れたわけだけど」 「お、俺だって、やればできる!・・・はずだもん」 要に痛いところをつかれ、しょんぼりと肩を落とす葵 それを見て要はバツが悪そうに頬をかいた 「まぁ、でも、お前はある意味才能持ってるから、いいんじゃねぇの?」 「才能・・・?」 「おう。綺麗な花束を作るっていうな」 ふっと微笑みながら、要は葵の頭を撫でる 「でも、それは、手伝っているうちに自然と身についたもので・・・」 「それでもだよ。それに、お前のおかげなんだぞ?あそこ知ったの」 「え?」 葵は思い当たる節がなかった 毎日、毎日、学校が終わったら、家の手伝いをしていて、周りとかかわることは少なかったと、自分でもわかっているつもりだった しかし、家の事を知ったのは、俺のおかげ・・・? 葵は頭にはてなを浮かべながら、首を傾げた 「近所にあった花屋さんがなくなって、どっかにないかなって思ってたらたまたま、道端で話し込んでいるおばさんたちの話が聞こえてきて、その話の中心にいたのがお前だったんだよ」 「俺・・・?」
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加