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「おまたせ!」
「おかえりー」
カウンターの隣に置いてある椅子に善治は腰かけていた
「ごめんね。これ、お菓子とお茶。なにもないのはちょっと悪いから、持ってきた。仕事してるときは相手、してあげられないけどいい?」
「もちろん!邪魔はしないって、言ったからな」
「ありがとう。好きにお菓子食べて、って・・・。もう食べてるし・・・w」
「んまー!」
ハムスターのように頬を膨らませてお菓子を食べる善治をみて、葵は笑った
そして、カランコロンとお店のドアが開いた
「あ、いらっしゃいませー!」
「あら、葵君。もう学校終わったの?」
「あ、横井さん!そうなんです、大体いつも、このくらいの時間には店番してますかねぇ」
「そう、じゃあ、おばあちゃんにも伝えておくわね。葵君に会いたがっていたし」
「ありがとうございます!今日は、どういったものがいいですか?」
「そうね~、今日は、玄関先に飾る花を買いに来たのだけれど、何がいいかしら?」
「それだったら・・・」
葵がお客さんの相手をしているのを善治はじっと見ていた
「じゃあ、それにするわ」
「ありがとうございます!」
葵は手早く花を紙に包み、お客さんに渡した
「ありがとうございました!」
「またねぇ」
「ふぅ・・・」
花を包むために出した紙や切った茎などの後片付けをして、カウンターに戻った
「すげぇな。花の知識」
「まぁ、生まれたときから、ここに住んでるからね。自然と身についたのかな?」
「勉強はできないのに?」
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