41人が本棚に入れています
本棚に追加
うなだれる彩音を桃は優しくなでた
「優ちゃんは?」
「俺も3組だったよ」
「あ、優ちゃん!」
後ろから、声をかけてきた南 優一郎(みなみ ゆういちろう)はそう言った
寧々と桃、優一郎は高校に入って初めてできた友達で、1年の時は同じクラスだった
そして、この3人は幼馴染で、とても仲が良かった
「お昼、そっち行くから泣かないで~?」
「うー・・・、ありがと~・・・、桃~」
「優ちゃんも来る?」
「まぁ、そうなるだろうな」
「結局、お昼はいつも通りってわけか」
「まぁ、いいじゃん?いつも通りが一番!」
「いつも通りは良いことだが、今度もいつも通りじゃ困るぞ?」
「え、なんで?」
葵は思い当たる節がないという風に、頭を傾げた
「忘れたのか?新学期に入ったら、そうそうに実力テストがあるって」
「「・・・あー!!!」」
葵と和真は声をそろえて、叫んだ
「・・・やっぱり」
「ど、どうしよ、お、俺、なんにも勉強してない・・・!」
「お、俺も・・!」
「葵はお兄さんに教えてもらったらいいだろう?和真は・・・うん、がんばれ」
「なんで、俺は見放された!?」
「お前は、ある程度できるだろう?しかし、葵は・・・、な?」
「・・・うん、そうだね・・・」
「なにその、俺が一番バカみたいな感じ!」
「「「「「だって、ほんとのことじゃん」」」」」
「う・・・っ」
5人全員にそういわれ、心にグサッときた葵は肩を落とした
「がんばり、ます・・・」
最初のコメントを投稿しよう!