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「はい、それじゃあ、葵君、今課題持ってくるから、ここで待ってて」
そういって、先生は出て行った
「・・・はぁ、なんでだよぉ・・・」
涙目になりながら、葵は机に突っ伏した
「試験前もちゃんと兄ちゃんに教えてもらったし、試験中も教えてもらってたのに、なんでぇ・・・」
頭をぐりぐりと机にこすりつけていると、突然、教室のドアが開いた
先生が返ってきたのかと思い、顔を上げると、そこには背の高い男子が立っていた
このクラスの子かな・・・?
扉の所に立つ男子は、すっと葵を横目で見る
「なぁ、あんた、追試の人?」
「え、あ、はい・・・」
「先生は?」
「今、課題取りに行ってて・・・」
「そ、じゃあ、かえ」
「帰らせないわよ!」
「いでっ!」
ちょうど帰ってきた先生に男子生徒は頭をはたかれた
「なにすんだよ!」
「なにすんだよ、じゃないわよ!追試に遅れてきたうえに、無断で帰ろうとして!」
「いいじゃねぇかよ、別に・・・」
「よくありません!今からでも、追試受けなさい!」
葵はポカーンとそのやり取りを見ていると、男子生徒はまた、葵を横目で見た
そして、先生の持っている課題に目をやった
「なぁ、先生。それ、こいつの課題?」
「そ、そうだけど、それが?」
男子生徒は葵の隣に立ち、葵の肩に手を置いた
「じゃあ、俺がこいつに教えてやるよ。追試に落ちるなんてよっぽどだしな。それに、俺がそんなに頭悪くないこと、先生も知ってるだろ?」
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