41人が本棚に入れています
本棚に追加
「ま、まぁ、そうだけど・・・。まぁ、いいわ。あなたがそれでいいっていうなら。さっきの追試の結果を見る限り、その子一人じゃ絶対に終わらなさそうだしね」
それじゃあ、まかせたわね、と言って先生は男子生徒に課題を渡して、とっとと出て行った
「え、あの・・・」
「俺は要、九十九屋要。よろしく。あんたは?」
要は自己紹介をして、手を差し出した
「え、あ、葵・・・。花園葵です・・・」
葵は恐る恐るその手を取った
「葵な、さっさと終わらせようぜ」
軽く握手をして、要は葵に課題を渡した
「で、どこがわかんねぇの?」
葵の座っている席の隣の席に座りながら、聞いてきた
「ぜ、全部・・です・・・」
「全部!?まじか・・・」
「は、はい・・・」
「しょうがねぇな・・・。じゃあ、始めからやってこうか。あ、それと、同学年だから、敬語じゃなくていいからな」
「え、同い年なの!?」
「おいおい、ここに来るのは、2年の追試者だけだぞ・・・」
そんなこともわかんねぇのか、とあきれつつ、ペンを取り出す要
悪態はつくものの、面倒見はよいのだろう
「あ、じゃあ、要・・・?」
「おう」
ふっと微笑む要は後ろの窓の外に広がる夕焼け空と相まって、とても綺麗だった
「わぁ・・・」
「ん?どした?」
「あ、いや、きれいだなあって・・・」
照れながらそういうと、要にも伝染したように頬を軽く染めていた
「ほ、ほら、さっさとやるぞっ」
「う、うん!」
最初のコメントを投稿しよう!