198人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから、3日が過ぎた。
休み明けの月曜日。
眩しい太陽の下、あたしはお決まりのように、日野っちの車で学校へ向かっていた。
「ねぇ、日野っち」
「何ですか?」
「あのね」
小さく落として、息を吸う。
「いつもいつも、あたしの送り迎えをしてくれて、助かってます。ありがとうございま……す」
尻すぼみになりながらも、なんとか最後まで言い切ったその言葉。
それは、あたしがどうしても日野っちに伝えたい言葉だった。
社長が認めてくれたことにより、修平とは別れずにお仕事を続けられることになったあたしだけど。
全部、日野っちのお陰だと思ってる。
あんなに力強く説得してくれて。
あんなに真剣な顔で“守る”って言ってくれて。
びっくりしながらも、一番に感じたのは嬉しさだった。
あたしのこと、大切に思ってくれてたんだって痛感したから。
だから今日だけは、あたしも勇気を出して素直な気持ちを伝えてみよう。
そう、思ったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!