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「宿題見せてー」
「はぁ? 自分でやれよ」
朝一番の教室。
色とりどりの会話が飛び交う、そんな中。
あたしはひとり、頬杖をつきながら窓の外を眺めていた。
グラウンドのすぐ隣にある、真ん中より少し後ろの席に座って。
とっても静かに。
すました顔で。
だからきっと、誰も知らないだろう。
今あたしの心の中が──。
まだかなぁ……?
もう来るかなぁ……?
早く会いたいよぉ~。
──ほんとは、こんなにも騒がしいだなんて。
気を抜いたら完全アウト。
一気に顔の筋肉が緩んじゃう。
──サァァ……。
その時急に風が吹いて、爽やかな緑を揺らした。
さわそわ、そわそわ。
落ち着きのないその様子は、あたしの心をそっくり映したみたい。
窓から視線を外すと、不意に黒板の右端の文字が目に入った。
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