あたしの秘密

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……何あれ、超感じ悪。 人にぶつけておいてあの態度はないでしょ? 内心ムッとして、それを抑え込むようにもう一度窓の外へ視線を移す。 「お前、ヤベーな」 「よりによって地味ナミさんとこ飛ばすとか、マジウケるし」 「ちょっ、わざとじゃねぇって」 “地味ナミさん” あたしは、極一部の男子からそう呼ばれてるらしい。 きっちり編み込んだおさげ頭。 目にかかった重たい前髪。 分厚い細フレームメガネ。 今どき珍しい、そんな格好をしているから。 だけど一切気にしてない。 いや、構ってられないって言った方が正しいかもしれない。 誰になん と言われようと、あたしにはこうする必要があるんだもん。
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