プロローグ

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「……無駄だって」 「それを決めるのは君じゃないよ」 「…なんなの」 「もう喋らなくていいよ。後で全部話してあげるから」 「アトなんか、ない…」 「だからそれを決めるのは君じゃない」 「…自分の体のことは、自分が一番わかるって」 「そうやって過信しやすいのが人間の愚かな部分だよ」 「自分だって人間のくせに」 「君もでしょ」 「……。無理だ」「無理じゃない」 「どうして……誰、なの」 「それは後で話そう」 「だから…あとで、なん…。だっ…て…」 「大丈夫だよ。大丈夫」 「だって……痛い」 「うん」 「苦しい」 「うん」 「苦しい…辛い…」 「うん」 「…痛い…痛いよ」 「うん」 「痛い…痛い…」 「うん」 「痛い……だから…っ 助けて」 「うん」
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