禁断の恋と不信感

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動画に写っていたつかさは楽しそうだった。 心の底から笑っているように見えた。 高「うそ…」 後ろからつかさの声が聞こえた。   本人も驚いているようだ。 神「えっ? あの、つかさ、これは一体どういう…」 高「ち、違う、これは違うの!」 つかさは慌てていた。 矢「あれ?」 樋「矢神さん、どうかした?」 矢「あ、うん。この男の人どっかで見たことあるなぁと思って」 樋「ホントに?」 矢「確か…テレビとかでよく見かける俳優さんだったと思うけど…」 樋「俳優…」 康平は頭の中の記憶を探り出す。 樋「思い出した…。ワイドショーで取り上げられてた。『人気俳優! またまた浮気か!? 』って。確か名前は…桐島京次(きりしまきょうじ)」 桐島京次。 テレビで話題の人気俳優だ。  しかし、一方で数々の女性と浮気をしているという噂もある。 神「なんでそんなやつとつかさが一緒に…」 高「たまたま仕事場に彼が来て、彼の方から私に話しかけてきたの!」 五「仕事場に来たって、お前保育士だろ? なんでそんなところにあいつが来んだよ」 高「近くで撮影があって、『自分も昔ここに通ってたから懐かしくなって立ち寄った』って言ってた」 柴「…この写真は? 随分親しげに見えるけど」 高「これはこの前飲みに誘われて行っただけ。お互い酔っぱらってたからその時のやつだと思う。でも、桐島さんの他にもスタッフさんとかいたから2人きりではなかったよ」 五「ホントか? それ?」 高「嘘じゃないってば!」 つかさは 陽介を見つめた。 高「陽介。本当なの。本当に彼とは何もなかったの。お願い信じて。私が愛しているのは陽介だけだよ?」 神「…分かった。俺はつかさを信じるよ」 高「…陽介」 つかさの目から涙が溢れた。 樋「…。」 康平は写真を見つめていた。 樋「(なんだ?なんか違和感がある。)」 矢「樋口君。どうかした?」   樋「!。いや、何でもない。(ダメだ、今は犯人探しに集中しないと。)」 康平は考えるのを辞めた。 タイムリミットは残り4時間になっていた。
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