危険人物2人

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バシュ。 ガシャ。 それは一瞬のことだった。 機長の合図と共に、翼の体は座席ごと空に飛んでいき、開いていた屋根が閉じられた。 樋「な、なんだ今の音」 康平は後ろを確認することができない。 何が起こったのか分からなかった。 ドンッ! ドシャ。 次に上から大きな音が聞こえた。 そして、次は鈍い音が左側から聞こえた。 康平は恐る恐る左側を向いた。 窓は曇りガラスになっているため外の様子を確認することはできなかった。 しかし、あの音を聞いてしまったためか、最悪の事態を想像せずにはいられなかった。 『皆様、只今五十嵐翼様が脱落しました。』 神「五十嵐は、五十嵐はどうなったんだ!? まさか本当に…」 高「嘘でしょ…」 本「……。」 柴「悪くない、私は悪くない…」 矢「いや、もういや! ここから出して!」 美織はそう言って枷を外そうとする。 他の者も外そうと必死だ。 『皆様、機内ではお静かに願います。さもなければ全員外に放り出しますよ』 機長がそういうと皆大人しくなった。 『さて、皆様続きと参りましょう』 機内はより一層の緊迫感に包まれていた。 一方、飛行機の外には1人の人物が立っていた。 その人物は足元に転がっている五十嵐翼の遺体を見ていた。 翼の遺体は首が折れ、目を見開いた状態だった。 謎の人物は、冷めた目で翼の死体を見つめている。 「……。」 謎の人物は死体を置いたままその場をあとにした。
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