9人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
五十嵐翼が消えた。
それは康平達を恐怖させるには十分だった。
『さて皆さん、時間は2時間が経とうとしています。私が誰か、検討はつきそうですか?』
高「まだ続けるの!?」
『当然です。五十嵐様の答えは間違っていたのですから。』
神「冗談じゃねぇよ…」
樋「…。」
康平は焦りを感じていた。
タイムリミットが迫っていることもだが、他にも危惧していることがあった。
樋「(もしこのままいけば、俺の秘密がバレる可能性がある。今まで言えなかった俺の秘密が…。)」
康平の秘密、誰にも言えない秘密。
それは今回の件と関係あるのだろうか。
康平は頭を悩ませていた。
柴「次は誰が話すの?」
不意に麗香がそんなことを言い出した。
神「お前…。この状況でよくそんな冷静でいられんな!?」
柴「何で?」
神「なんでって、昔の仲間が死んだんだぞ! しかもあいつはお前の彼氏だろ!」
柴「言ったでしょ。別れたかったけど別れさせてくれなかったの。今はあいつのことなんて好きじゃないわ。それに…」
麗香は1度言葉に詰まった。
柴「あいつは犯罪者よ。人を騙してお金を奪う卑劣な人間よ。いつ殺されてもおかしくなかった。それが今回は運がなかっただけ」
麗香はそう言った。
柴「私だって同じ。けど、私は罪を償う気持ちがあるわ。あいつと違ってね」
康平からは麗香の顔を確認することはできなかった。
しかし、麗香の言葉には決意のようなものが感じられた。
やったことは決して良いことではないが、麗香は罪を受け入れる覚悟が出来ているようだった。
最初のコメントを投稿しよう!