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樋「なぁ皆」
神「ん?」
樋「姫木のことについて他になにか知ってることないか?」
高「姫木さんの?」
樋「ああ。家族関係とか、好きなこととかなんでもいい。何か手がかりがほしい」
神「う~ん。と言われてもなぁ。あんま喋ったことないし」
高「私たちそういうことあんまり喋らないようにしてたしね」
樋「…それもそうか」
矢「あ、あの…」
樋「矢神さんどうかした?」
矢「関係あるかどうかわからないんだけど…。姫木さんストラップ持ってたんだ。ガラスで出来た鳥の形をしたストラップ。姫木さん『お父さんから貰った』って言ってた」
樋「お父さん…」
矢「うん。それに『生まれてすぐに離ればなれになっちゃった弟も同じの持ってるんだ』って嬉しそうに話してた。『いつか一緒に暮らしたいなぁ』って」
樋「弟…(なんだ?何か忘れてる。)」
康平は何か引っ掛かるものがあった。
樋「(なんだ!? 何を忘れてる!?)」
康平は必死に記憶を掘り起こしている。
樋「!(…まさかそんな。)」
矢「樋口君、どうかしたの?」
樋「……。」
矢「樋口君?」
樋「! 矢神さん。…いや、何でもないよ。大丈夫」
矢「?」
樋「(まだ確証がある訳じゃない。もう少し考えをまとめてから話そう。)」
康平は、自分が気づいた重要なことを話さないことにした。
まだ確証がなかったからだ。
しかし、もし康平の考えが正しければ、これほど悲しい出来事はないかもしれない。
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